- ウォーカー、アラン 『シューマン』横溝亮一訳、東京音楽社、1986
伝記と作品論。コンパクトながらよくまとめられている。
[読][文]
- 音楽之友社編 『シューマン』 (作曲家別名曲解説ライブラリー23)、
音楽之友社、1995。 シューマン作品を広範囲に取り上げた「名曲解説」。
[文]
- 岸田緑渓 『シューマン 音楽と病理』音楽之友社、1983
膨大な量の書簡や日記類(いずれも邦訳なし)を利用して、病歴と
作品を関連させている。文献の出典が明確で資料性が高い。
[文][美]★
- シュネーデル、ミシェル 『シューマン 黄昏のアリア』千葉文夫訳、
筑摩書房、1993
作品の印象記。シュネーデルの著書〈孤独と狂気〉3部作では『グ
レン・グールド 孤独のアリア』の続編にあたる。 [読]
- シューマン、ローベルト 『音楽と音楽家』吉田秀和訳、岩波文庫、1958
評論集『音楽と音楽家』の抄訳。この評論集は全訳されたことがない。
[文]★
- シューマン、ローベルト&クラーラ 『ローベルト クラーラ シューマン愛の手紙』
ハンス=ヨーゼフ・オルタイル編、喜多尾道冬・荒木詳二・須磨一彦訳、
国際文化出版社、1986
1832年から55年までの往復書簡287編。ディートリヒ・フィッシャー=
ディースカウの〈まえがき〉と編者による長い〈あとがき〉付。 [文]★
- シューマン、ローベルト 『音楽のことば 3』
100−135頁、高野晃子訳、サム・
モーガンスターン編、海老沢敏日本語版監修、近藤譲監訳、哲学書房、1990
評論集『音楽と音楽家』の抄訳。英訳からの重訳のため、資料価値は低い。
- 原田光子 『真実なる女性 クララ・シューマン』
ダヴィッド社、S38(1963)。
クララ伝。翻訳ものとしての文学的価値は高い。
日記部分[文]★
- ブリオン、マルセル 『シューマンとロマン主義時代』
喜多尾道冬・須磨一彦訳、
国際文化出版社、1984
シューマンの時代背景とシューマンが直接間接に影響を受けたロマ
ン主義文学を同時に分析、そこからシューマンの作品の背後を探っ
た本。文学論、感性的芸術論としてはおもしろい。ただし出典が不
明瞭で資料価値は低い。 [読][文]
- 前田昭雄 『音楽大事典』の「シューマン」の項目、
平凡社、1982
事典の1項目ながら、伝記、作品概論、作品目録、研究史、先行研
究など、必要最低限の情報が網羅されている。資料価値は高い。 [音]★
- 前田昭雄 『シューマニアーナ』春秋社、1983
世界的シューマン研究者による日本語論文集。この本はN響機関紙
「フィルハーモニー」に掲載された論文や、東京芸大における講演
論文などをまとめたもの。 [音][美][文]★
- 前田昭雄 CD「交響曲 第1番/第3番」(オットマール・スウィトナー指揮、
ベルリン国立歌劇場管弦楽団 [DENON33CO-1516]
)の付録解説書、1987
資料(11)所収論文と内容的に重複するが、交響曲第1番(1841年
自筆稿)の問題点が簡潔にまとめられてる。 [音]
- 前田昭雄 『新編世界大音楽全集器楽編 15 シューマン ピアノ曲集
I 』
『同−16−II 』 『38−III』音楽之友社、各
「解説」、1990 / 91 / 93
ピアノ・スコアの解説だが、各作品の成立事情などの要点が簡潔に
まとめられている。 [音][文]★
- 前田昭雄 「シューマンの第三交響曲に 『三和音=主題たち』」、
「フィルハーモニー」1992、12(64巻−11号)、16−23頁。
NHK交響楽団の機関紙に掲載された小論。
[音]
- ラオホフライシュ、ウード 『ローベルト・シューマン 引き裂かれた精神』
井上節子訳、音楽之友社、1995
心理学と精神分析の観点から、シューマンの伝記を洗い直し、なぜ
そのような作品を書くことになったかを解明している。特に幼児期
の親子関係から、その後の行動傾向を説明した点には説得力がある。
[心][文][美]
- ラッタリーノ、ピエロ 「ローベルト・シューマン」
蓑田洋子訳、
『ロマン派の旗手』73−136頁、音楽之友社、1990
小編だがシューマン伝としてよくまとめられている。他では見かけ
ない図版が多い点がたいへん貴重。 [文]★
- Lippman, Edward A.; Theory and Praxis in Schumann's Aeathetics,
Journal of American Musicological
Society,
17, 1964, pp. 310-345.
創作の際のメモ、標題、表情記号、書簡、日記、音楽評論など、手
に入る限りのシューマン自身の言語資料から、作品の成立過程を分
析した論文。作品の背後に隠されたシューマン自身のイメージを追
跡している。シューマンの作品が、いかにドイツ語・ドイツ文学と
深く結びついているかが例証されている。シューマンのイメージ概
念論、美的方法論の考察として非常に興味深い。
[美][文]
- レプロン、カトリーヌ 『クララ・シューマン
―光に満ちた調べ』
吉田可南子訳、河出書房新社、1990。
クララ伝。 [読]
- 若林健吉 『シューマン ―愛と苦悩の生涯』
新時代社、1971。
シューマン伝。 [読]
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