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シューマンの基本文献


▼凡例
  
[読] 読み物的なもの
[心] 心理学・精神医学的なもの
[文] 文学・文献資料的なもの
[音] 音楽学論文
[美] 音楽美学論文
 ★  資料性の高いもの

(註) ここに掲載してあるものは、非常に基本的な(と私が考える)文献です。
さらに詳細な文献情報については、シューマンおたく学会のデータベースを参照してください。
   ●シューマン夫妻に関連する文献のリスト  ※掲示板関連スレ → 書籍関連の道先案内


  1. ウォーカー、アラン  『シューマン』横溝亮一訳、東京音楽社、1986
    伝記と作品論。コンパクトながらよくまとめられている。 [読][文]
  2. 音楽之友社編 『シューマン』 (作曲家別名曲解説ライブラリー23)、
    音楽之友社、1995。
    シューマン作品を広範囲に取り上げた「名曲解説」。 [文]
  3. 岸田緑渓 『シューマン 音楽と病理』音楽之友社、1983
    膨大な量の書簡や日記類(いずれも邦訳なし)を利用して、病歴と
    作品を関連させている。文献の出典が明確で資料性が高い。 [文][美]★
  4. シュネーデル、ミシェル 『シューマン 黄昏のアリア』千葉文夫訳、
    筑摩書房、1993
    作品の印象記。シュネーデルの著書〈孤独と狂気〉3部作では『グ
    レン・グールド 孤独のアリア』の続編にあたる。 [読]
  5. シューマン、ローベルト 『音楽と音楽家』吉田秀和訳、岩波文庫、1958
    評論集『音楽と音楽家』の抄訳。この評論集は全訳されたことがない。 [文]★
  6. シューマン、ローベルト&クラーラ 『ローベルト クラーラ シューマン愛の手紙』
    ハンス=ヨーゼフ・オルタイル編、喜多尾道冬・荒木詳二・須磨一彦訳、
    国際文化出版社、1986
    1832年から55年までの往復書簡287編。ディートリヒ・フィッシャー=
    ディースカウの〈まえがき〉と編者による長い〈あとがき〉付。 [文]★
  7. シューマン、ローベルト 『音楽のことば 3』 100−135頁、高野晃子訳、サム・
    モーガンスターン編、海老沢敏日本語版監修、近藤譲監訳、哲学書房、1990
    評論集『音楽と音楽家』の抄訳。英訳からの重訳のため、資料価値は低い。
  8. 原田光子 『真実なる女性 クララ・シューマン』 ダヴィッド社、S38(1963)。
    クララ伝。翻訳ものとしての文学的価値は高い。 日記部分[文]★
  9. ブリオン、マルセル 『シューマンとロマン主義時代』 喜多尾道冬・須磨一彦訳、
    国際文化出版社、1984
    シューマンの時代背景とシューマンが直接間接に影響を受けたロマ
    ン主義文学を同時に分析、そこからシューマンの作品の背後を探っ
    た本。文学論、感性的芸術論としてはおもしろい。ただし出典が不
    明瞭で資料価値は低い。 [読][文]
  10. 前田昭雄 『音楽大事典』の「シューマン」の項目、 平凡社、1982
    事典の1項目ながら、伝記、作品概論、作品目録、研究史、先行研
    究など、必要最低限の情報が網羅されている。資料価値は高い。 [音]★
  11. 前田昭雄 『シューマニアーナ』春秋社、1983
    世界的シューマン研究者による日本語論文集。この本はN響機関紙
    「フィルハーモニー」に掲載された論文や、東京芸大における講演
    論文などをまとめたもの。 [音][美][文]★
  12. 前田昭雄  CD「交響曲 第1番/第3番」(オットマール・スウィトナー指揮、
    ベルリン国立歌劇場管弦楽団 [DENON33CO-1516] )の付録解説書、1987
    資料(11)所収論文と内容的に重複するが、交響曲第1番(1841年
    自筆稿)の問題点が簡潔にまとめられてる。 [音]
  13. 前田昭雄 『新編世界大音楽全集器楽編 15 シューマン ピアノ曲集 I 』
    『同−16−II 』 『38−III』音楽之友社、各 「解説」、1990 / 91 / 93
    ピアノ・スコアの解説だが、各作品の成立事情などの要点が簡潔に
    まとめられている。 [音][文]★
  14. 前田昭雄 「シューマンの第三交響曲に 『三和音=主題たち』」、
    「フィルハーモニー」1992、12(64巻−11号)、16−23頁。
    NHK交響楽団の機関紙に掲載された小論。  [音]
  15. ラオホフライシュ、ウード 『ローベルト・シューマン 引き裂かれた精神』
    井上節子訳、音楽之友社、1995
    心理学と精神分析の観点から、シューマンの伝記を洗い直し、なぜ
    そのような作品を書くことになったかを解明している。特に幼児期
    の親子関係から、その後の行動傾向を説明した点には説得力がある。
    [心][文][美]
  16. ラッタリーノ、ピエロ 「ローベルト・シューマン」 蓑田洋子訳、
    『ロマン派の旗手』73−136頁、音楽之友社、1990
    小編だがシューマン伝としてよくまとめられている。他では見かけ
    ない図版が多い点がたいへん貴重。  [文]★
  17. Lippman, Edward A.; Theory and Praxis in Schumann's Aeathetics,
    Journal of American Musicological Society, 17, 1964, pp. 310-345.
    創作の際のメモ、標題、表情記号、書簡、日記、音楽評論など、手
    に入る限りのシューマン自身の言語資料から、作品の成立過程を分
    析した論文。作品の背後に隠されたシューマン自身のイメージを追
    跡している。シューマンの作品が、いかにドイツ語・ドイツ文学と
    深く結びついているかが例証されている。シューマンのイメージ概
    念論、美的方法論の考察として非常に興味深い。  [美][文]
  18. レプロン、カトリーヌ 『クララ・シューマン ―光に満ちた調べ』
    吉田可南子訳、河出書房新社、1990。
    クララ伝。  [読]
  19. 若林健吉 『シューマン ―愛と苦悩の生涯』 新時代社、1971。
    シューマン伝。  [読]

2001/03/26